JELAは給付型奨学金「JELAディアコニア奨学金」を通じて、社会における奉仕者を志す方々の学業をサポートしています。
当奨学金を2021年から受給し、東京国際大学の国際関係学科で学んだ三浦太一さんが、3月に卒業されました。三浦さんは子ども時代の大部分をフィリピンで過ごしましたが、自分の将来を考えて18歳の時に再来日しました。そして言語の壁、文化の壁、経済的な壁などを乗り越えて大学に進学し、今日に至ります。詳しくは『JELA NEWS第59号』掲載の寄稿記事(5頁)をご覧ください。
就職活動も成功し、4月から新社会人としてご活躍です。このたび大学生活の振り返りとJELAの支援への感謝を綴っていただきましたので、以下にご紹介いたします。
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JELAへ感謝のメッセージ
三浦 太一
4年前に東京国際大学に合格し、学費のことや自分の能力、それに自分の年齢、そして大学に行く意味などでたくさん悩んでいました。入学金を支払う能力がなく、大学に延長を依頼しましたができず、ローンも審査に落ち、希望は薄く感じました。
困っていた時に地元のカトリック教会でお世話になっていた方に連絡して、学費のことなどを助けてもらい、それがJELAに出会うきっかけにもなりました。大学進学について、「行ったほうがいいよ」と応援していただいた方もいれば、「行く意味がない」とアドバイスをしてくださる方もいました。いろいろ考えた結果、私は入学することにしました。
入学直後の頃はコロナ禍でもあり、そして自分の計画性不足でいろいろと苦労しました。自分の条件に合ったアルバイトを見つけるどころか、アルバイトの応募自体がほぼなかった頃でした。諦めることなく数週間後、アルバイトを見つけることができ、生活に余裕を持つほどではなかったのですが、自立することができたのは確かです。やがて勉強にも生活にも慣れることができ、いろんな友達や教師に出会うことができました。大学でひとつ学んだことは、人とコミュニケーションを取ることで視野も広がる、ということです。他人の経験や意見に左右されるのではなく、自分の人生や将来の参考にできると学びました。
大学では優秀な学生がいろんな国から来ており、自分のモチベーションにもなりました。自分の国の問題を解決しようとする学生や、世界の問題をいろいろ考える学生も在籍していて、プレッシャーを感じながら自分も考えなければいけないと感じました。学業のために勉強を熱心に取り組んでいましたが、勉強すれば勉強するほど世界の問題をたくさん知ることができ、地球のどこかに困っている人がいると知り、直接助けることはできませんが、人間としてどう考えればよいのか、どう行動すればよいのか、考えることができるようになったと思います。例を申し上げると、卒業論文で課題にしていたフィリピンの麻薬戦争でした。その問題の解決に直接貢献することはできませんでしたが、意見を発信することができたと思います。将来は直接携わって、世界のいろんな問題の解決に貢献することに努めたいと思っています。
4年間もかかりましたが、大学に行く意味を知りました。それは、これから生きる意味を探しやすくなる、ということです。大学で学んだことを社会や自分の人生で活かして成長していきます。JELAのおかげで大学に通うことができた感謝の気持ちを忘れず、次世代の方々にも何か力になれるように働いていきたいと思います。4年間本当にお世話になりました。誠にありがとうございました。
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お母様と一緒に |
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JELAディアコニア奨学金は、【社会・人々への奉仕】【国際社会への貢献】または【キリスト者としての成長】を志し大学進学等を希望する方で、家計の制約により学費の支弁ができない方を対象とする給付型(返済不要)奨学金制度です。
2026年度から受給を開始する奨学生の募集は、今年6月に開始予定です。詳しくはJELAウェブサイトをご確認ください。
また当奨学金の趣旨にご賛同される方は、お祈りによってお支えいただくとともに、ぜひご寄付もご検討ください。公益財団法人であるJELAへのご寄付は、税制優遇の対象となります。詳しくはこちらをご覧ください。